欧州経済を支える自動車産業が不振にあえいでいる。電気自動車(EV)の需要が伸び悩む中、中国製EVが市場を猛攻。来年には欧州連合(EU)の環境規制が強化される予定で、3重苦の状態にある。「2035年までに全新車をゼロエミッション車にする」というEU計画に、見直しを求める声が高まっている。 中国、技術でも凌駕 パリで今月開かれた国際自動車ショーでは、中国製EVが話題をさらった。 中国最大手、比亜迪(BYD)の記者会見には千人近くが集まった。李柯(ステラ・リ)執行副社長は最新EVを紹介し、「来年末までにハンガリー工場が稼働する」と欧州進出への意気込みを語った。新興メーカー、浙江零跑科技(リープモーター・テクノロジー)は1台2万ユーロ(約320万円)以下の格安EVが売り物だ。欧州大手、ステランティスと提携し、同社のポーランド工場で6月に生産を開始した。 欧州の調査機関T&Eによると、EUのEV新車