『ルポ川崎』(磯部涼/サイゾー) 以前も書いたが私の祖父母はかつて、神奈川県川崎市南部の桜本というところに住んでいた。 桜本は臨海工業地帯にあって空気が悪く、昭和の頃は工場の塀にペンキで「○日に××を殺す」と書いてあるような場所だった。だから私は訪ねるたびに、「早く帰りたい」と子供心に思っていた。 音楽ライターの磯部涼さんによる『ルポ川崎』(サイゾー)は、臨海地区を中心に川崎で生きる者の姿を描いている。ヤクザやドラッグ、犯罪や貧困などと隣り合わせで子どもたちが育つこの町では2015年、中学1年生が殺害され多摩川の河川敷に遺棄される事件が起こった。 同書の帯に「ここは、地獄か?」とあるように、磯部さんの目にも川崎は地獄と映ったのか。お話をうかがった。 ■川崎は日本が抱える問題を凝縮した町 磯部さんは千葉県千葉市の出身で、これまでは川崎駅前のライブホール・クラブチッタに行くことはあっても、それ
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