印刷 メール 欧州に「丸ごと中国」工場 資本も、従業員も、原料も 「欧洲商城」の看板を掲げるプラート郊外の卸売りセンター。中国人経営の約100店が「イタリア製」の衣服やアクセサリーを格安で販売している=伊東和貴撮影 政府債務(借金)に苦しむ欧州の国々に、中国が盛んに進出している。イタリアには中国人経営の「工場団地」が出現し、港湾や道路などインフラ投資も進む。財政難などの弱点をついて存在感を増す中国に、地元では期待と懸念が交錯する。 ■中世からの織物の街で「格安に革ジャン生産」 イタリアの古都フィレンツェから約20キロ。なだらかな丘陵に赤茶色の屋根の家々が連なるプラート市の郊外に、漢字の看板を掲げた建物群がある。「プロント・モダ(既製服)」と書かれたイタリア語の隣に漢字で「公司(会社)」。中国系移民が経営する洋服の卸問屋だ。 店内には革ジャン、ニットのコート、スカートが並ぶ。1着6.5ユーロ