12粒のブドウ(1) 光が差し込むダイニングに接したオープンキッチンで、女性も男性も一緒になって、ファミリーハウスを利用する病児のママやパパのために夕食をつくる。その中心にいるのが、NPO法人女子カラダ元気塾の理事長、光原ゆきさん(41)だ。「病児を抱える母親を支援したい」という思いから、同世代の心許せる仲間たちとNPOを立ち上げた。 その思いはどこから来るのか。 それは、35歳のとき、娘を出産したときの経験にさかのぼる。 「私自身が娘を出産したときに、自分の子どもが病気で生まれてくることは想像していなかった」 自分は退院できても、子どもはNICU、小児病棟に入院し、手術もしなければならなかった。心の準備のないまま、付き添い入院やファミリーハウスに宿泊して毎日通う生活に突入した。 おっぱいをあげたいけど、毎日搾乳して病院に届ける日々。「何で私なんだろうと一番思った」 「お母さんのサポートっ