【動画】イラクから教育へ高校生とボランティアスタッフの交流を見守る今井紀明さん(左奥)=大阪市城東区、竹花徹朗撮影 【石橋英昭】9年前、劣化ウラン弾の危険性を訴えようと戦闘が続くイラクを訪れ、武装勢力の人質になった札幌の若者がいた。今井紀明さん、当時18歳。「自己責任だ」。救出後、激しいバッシングに苦しんだ。いま27歳。自信を持てない通信制高校生を支援するNPOを、大阪で立ち上げたところだ。 通信制高校生向けのキャリア教育に取り組むNPO法人「D×P(ディーピー)」は、昨年春に発足した。今井さんはその共同代表だ。 通信制高校は不登校や中退者の受け皿として増え続け、生徒数は19万人。いじめられた経験などを持ち、前へ進めない生徒が少なくない。公的な支援は手薄。卒業後も2人に1人は、就職も進学もしない。 彼らに大学生や社会人の講師が継続的につき、社会に送り出す。そんなプログラムを今井さん