【前編はこちら】 『鉄道も停止…数万円、3秒で国を滅ぼすサイバー攻撃は可能?』 Stuxnet(スタックスネット)とは、2010年に存在が確認されたコンピュータウイルスの一種です。このスタックスネットの存在は、当時、制御システムのエンジニアたちの間では、暗黙的に秘匿されていました。 「ここだけの話だけど」という切り口で、私が最初に教えてもらったのは、海外で働いている同僚からでした。 話を聞いて、私も驚愕しました。 スタックスネットは、イランにあるウラン濃縮工場に設置された遠心分離機の「物理的破壊」に成功した、というのです。 どういうことかというと、いきなり前回ご説明したサイバーテロのレベル3を飛び越えて、レベル4の制御システムの「機器を壊す」ことに成功したということです。 しかし、ウラン濃縮工場という国家の最高機密の制御システムであって、考えうる最高ランクのセキュリティで守られているであろ