『「核」論 鉄腕アトムと原発事故のあいだ』 | 荒野に向かって、吼えない…武田徹著『「核」論 鉄腕アトムと原発事故のあいだ』 今回僕が読んだのは２００２年刊行の単行本版。この度再版された増補版は未読なのであしからず。 本書に勇ましい反原発のメッセージを、あるいは日本に原発がいかに必要不可欠な存在であるかを説くものを期待すると肩透かしをくらうことだろう。 武田はここでは「スイシン派」「ハンタイ派」とカタカナ書きしていることからも想像がつくように、両者に対して「非共感的」（吉岡斉の著書から取られた言葉）である。 今となっては「スイシン派」への「非共感的」部分は説明するまでもないだろうが、では「ハンタイ派」へのそれはどういうことか。「科学的な思考を手放すリリースポイントが早すぎる」（ｐ．２５３）としている。ここらへんは僕も同感で、このような姿勢が反原発派がこれまでトンデモ扱いされてきた原因の一つであろう。個人的には本書での高木仁三郎への評価はいささか厳しすぎる気もする
Amazon.co.jp: 核論: 鉄腕アトムと原発事故のあいだ: 武田徹: 本
Astand：サービス終了のお知らせ
