横浜市立大学を中心とする研究グループは9月に、新型コロナウイルスの流行によって、早期がんが減り、進行がんが増えたという衝撃的な調査結果を発表しました。横浜市立大病院と国立病院機構横浜医療センターにおいて、2017年から20年までの4年間に新規に消化器系のがんである食道がん、胃がん、大腸がん、膵(すい)がん、肝臓がん、胆道がんと診断された患者5千人超が調査対象です。日本でコロナが本格的に流行し
光免疫療法のもう1つのメリット 「光を当てて破壊されたがん細胞の破片が“質の良い”抗原となり、さらにがんを攻撃する免疫細胞もダメージを受けない」というのが、がん光免疫療法のもう1つのメリットです。 これは、非臨床試験をベースとした研究ではありますが、高温の熱や凍結を用いた治療は、がん細胞のタンパク質を壊し、変性させます。光免疫療法は、熱を使ったり、凍結をしたりすることなくがん細胞を破壊します。そのため、破壊されたがん細胞の破片は、免疫細胞にとって、タンパク質が変性していない”質の良い“抗原となります。仮に、がん細胞を体の外に取り出し、ぐりぐりと物理的にすり潰したら、がん細胞のタンパク質は変性して元の状態ではなくなります。このようなタンパク質を抗原として認識させた免疫細胞を再び患者さんの体に戻す免疫療法は、以前から試されてきていますが、今のところ効果がみられたものはありません。これは、がんに
乳腺のおもな良性疾患を紹介します。 線維腺腫 非常によく見かける乳腺良性疾患です。通常は2-3cmになると増殖がとまり16-59%は自然に退縮しますが、自然退縮しなかった線維腺腫の5%だけが増大します。10cm以上に成長する線維腺腫もあり若年性線維腺腫と呼ばれます。3cmを超えると葉状腫瘍の可能性が否定できないので、一般的には摘出が勧められます。線維腺腫にがん化が起こる確率は非常に稀です。 葉状腫瘍 全乳房腫瘍の1%未満と少ない腫瘍(大きさ:1-41cm)ですが、急速に増大して受診されることがあります。乳房を変形させたり皮膚を圧迫して潰瘍を形成することもあります。良性(50%以上)、境界悪性、悪性(約25%)に分類され、再発を繰り返すたびに悪性度が増すことがあるので、初回手術でしっかり切除を行うことが重要です。 乳管内乳頭腫 主な症状は乳頭からの漿液性あるいは血性の分泌や腫瘤触知ですが、無
抗がん剤の副作用で重い心臓病に陥る患者が目立ち始め、早期発見や治療法を目指す研究が増えている。がん治療の進展で生存率が高まり、浮上してきた新しい問題だ。欧米では心臓病のリスクを抑えたがん治療のガイドラインを作るなど手を打っている。日本も対策が必要という声が出ている。抗がん剤には種類によって心臓に対する毒性のある成分を含んでいる。投与の直後や1年以上たってからと時期はまちまちだが心臓病を起こす。
京都大の本庶佑(たすく)特別教授が今年のノーベル医学生理学賞に決まり、研究成果である「免疫療法」への関心が大きく高まりました。一方、この手法や本庶さんの研究をもとに開発された薬「オプジーボ」に対しての誤解も少なくありません。免疫療法に関していま知っておきたいことについて、国立がん研究センターがん対策情報センターの若尾文彦センター長に聞きました。 ◇ 本庶佑先生のノーベル賞受賞が決まって以来、私たちの施設にも「オプジーボで治療を受けたい」という相談の件数が増えています。なかには、手術を受けるのがベストと判断されたのに「手術でなく、オプジーボでがんを治すことができないか」という内容もありました。 ここには、いくつかの誤解があります。 まず、オプジーボは手術が受けられるような状態の方は対象になりません。手術ができればそれによってがんが治る可能性があるためです。すでにがんが別の場所に転移していて手
昨年6月に早期の膵臓がんで手術をした元横綱・千代の富士の九重親方(61才)。がん治療というと抗がん剤が勧められることが多いが、九重親方は抗がん剤を拒み、「四次元ピンポイント照射療法」という放射線治療の一種を選択したという。 「四次元ピンポイント照射療法」は、全国でも鹿児島県にある「UMSオンコロジークリニック」(以下、UMS)でしか行われていない。UMSは女優の樹木希林(73才)が治療に通っていたことでも知られる。 そもそも四次元ピンポイント照射療法とは、どんな治療法なのか。医療ジャーナリストの田辺功さんが説明する。 「X線による『放射線治療』の一種です。放射線治療は、放射線によってがん細胞を焼く治療法ですが、正常な臓器の一部にがん細胞がある場合、確実に治そうと思って大きく焼けば正常な細胞も死滅させてしまう。そのため副作用が起こり、体への負担も大きくなります。 ですから、どうやってがん組織
体を守る免疫の仕組みを利用して、がんを攻撃する新しいタイプのがん治療「CAR-T療法」の効果を高める研究が相次いでいる。慶応義塾大学と第一三共は疲弊した免疫の働きを活発にする手法を見つけた。東京大学などはがんを倒す細胞の寿命を延ばし、増えやすくする技術を開発した。治療効果が持続してコスト低減につながる。肺がんや大腸がんなどの固形がんの再発予防などにも役立つ可能性がある。CAR-T療法は、患者の
これは、「がんを告知されたら、子どもにどう伝えたらいいのか」を考える記事です。記者(30)は、4歳の息子の母親。今までは子育てと仕事に追われる毎日のなか、どこかがんを「自分とは別の世界のこと」と感じていました。でも、小林麻央さんら同じ年ごろの子どもがいる著名人らの病気がニュースになるたびに、心がざわつくように――。「子育ては?」「治療は?」「子どもになんて言えば……」。考えるほど、不安が大きくなりました。 母親は自分の健康を後回しにしてしまいがち。でも2人に1人はがんになる時代です。子育て中にがんを経験し、母親だからこその葛藤を経験した当事者に話を聞きました。 埼玉県の看護師、米倉ゆりかさん(43)は2016年の秋、ステージ2の乳がんと診断された。気づいたきっかけは、一緒にお風呂に入っていた長男(7)の一言。「ママ、ここにビー玉があるよ」。夏ごろから、たびたび言われるようになっていた。 で
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