政府は二十五日、東京電力福島第一原発事故をめぐり、政府の事故調査・検証委員会が関係者から当時の状況を聞いた「聴取結果書(調書)」のうち、新たに百二十七人分を公開した。九月と十一月に続く三回目で、公開された調書は計二百二人分となった。 当時の規制機関だった経済産業省原子力安全・保安院の小林勝・耐震安全審査室長の調書によると、東北地方太平洋岸で大きな被害を出した貞観(じょうがん)地震津波(八六九年)と同規模の地震発生の危険性について、二〇〇九年ごろから内部でも問題になっていた。独立行政法人「産業技術総合研究所」の岡村行信活断層・地震研究センター長は、貞観地震が福島第一周辺を襲った痕跡を指摘。自らの調書では「四百~八百年周期で反復していると考えている」と述べた。 岡村氏らの指摘を受け、小林室長らは貞観津波の再来リスクを検討するよう保安院幹部に提案したが、複数の幹部から一〇年に「あまり関わるとクビ