JR総武線の八日市場駅から車で約二十分。匝瑳市内の田園地帯を抜け小高い丘に続く道を上ると、日本最古の大学と地元で呼ばれる飯高(いいだか)檀林跡がある。 檀林は僧侶の学問所という意味。飯高檀林は日蓮宗の学問所として一五八〇(天正八)年に開設され、明治政府の学制発布により一八七四(明治七)年に廃檀になるまで約二百九十年間、数多くの僧侶を育てた。 檀林の入り口に当たる総門をくぐると、参道の両脇には杉の巨木がそびえる。うっそうとした杉林は空気もヒヤッとしており、夏の暑さを忘れられる。杉林はNHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」のロケ地にも使われた。市生涯学習課の實川理さんは「木の間から妖怪がひょっこり出てきそうでしょう」と笑う。