オーストラリア発電事業への出資の流れ 【編集委員・奥山俊宏、金井和之】「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)に大量流出したタックスヘイブン(租税回避地)の秘密ファイルの中には、多くの日本人や企業名も含まれていた。その中には、公益性の高いエネルギー関連企業の名前もあったが、「租税回避のためではない」と主張し、ペーパーカンパニーを使った投資の実態について詳細な説明を拒んだ。 ICIJのファイルには、東北電力がタックスヘイブンに置いた子会社を通じてオーストラリアの発電事業に出資した際の関連書類が含まれていた。総合商社丸紅との共同出資だ。 東北電力によると、2002年に「トーホク・パワー・インベストメント・カンパニー(TPIC)」という子会社をオランダに設立。東北電力は、この子会社を通じて租税回避地のマレーシア・ラブアン島に丸紅が所有する別の投資子会社に30億円を出資し、オーストラリ