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ブックマーク / cruel.org (10)

  • ダイアモンド『銃、病原菌、鉄』2005年版追加章について

    ダイアモンド『銃、病原菌、鉄』2005年版追加章について 山形浩生 草思社の倒産で一時はどうなるかと思った『銃、病原菌、鉄』邦訳だが、無事に復活して文庫にもなって、まずはめでたい。おもしろいだし非常に含蓄があるので、これが入手困難になるのは大変痛かったもので。 しかし、アマゾンのレビューを見ていると、変な記述に出くわした。これだ: 翻訳されていない一節 (Tsiroeht Emag) 訳されなかった章がある? そんなバカな。草思社が(愚かにも)参考文献をカットしたのに怒ってみんなで訳したときに、原書はちゃんと見ているがそんな章はなかったぞ。(なお、草思社も知恵をつけて、その後参考文献をウェブで公開したうえ、文庫版にはちゃんと載せているのでご安心を。)それも日人に関する章で人間宣言がどうしたこうした? そんな最近の話を扱っているわけもないと思って、コメントにもそう書いたんだが…… 調べて

  • Krugman: Baby Sitting the Economy: 経済を子守りしてみると。

    20年前に、ぼくはあるお話を読んで人生が一変した。いまもよくこのお話を思い出す。危機に直面しても、このお話のおかげで落ち着いていられるし、陰気な停滞期にも希望を失わずにいられるし、そしてすべては運命だとあきらめたり、悲観的になったりする誘惑にもうち勝てる。アジアの悲惨な状況が世界経済全体を脅かそうとしているこの陰気な時代に、この霊感的なお話の教訓の重要性は、これまでになく高まっている。 このお話は、「金融理論とキャピトルヒル子守協同組合の大危機」という論文に述べられている。これは 1978年に、Joan & Richard Sweeneyが Journal of Money, Credit, and Banking に発表した論文だ。このお話については、すでに拙著二冊、Peddling Prosperity (邦訳「経済政策を売り歩く人々」日経済新聞社)と The Accidental

    yugui
    yugui 2010/05/07
  • 文明と戦争:ニワトリと卵? - 月刊『マガジン・アルク』 連載コラム『山形浩生の:世界を見るレッスン』 連載 13 回

    『山形浩生の:世界を見るレッスン』 連載 13 回 文明と戦争:ニワトリと卵? 月刊『マガジン・アルク』 2007/04号 要約:人間は文明を発達させたために暴力を抑えるようになったんじゃない。暴力を抑えるために文明を発達させたんだ、というのがニューギニアの話をきくと見えてくる。もともとジャングルの部族たちは戦争ばっかりしていたけれど、実際には槍や弓矢ではほとんど死傷者は出なかった。銃が入って人が当に死ぬようになったので、みんな戦争をやめて交渉するようになって、やがてパプアニューギニアは国としてまとまったとのこと。人を結びつけるのは死なのかもしれない。 パプア・ニューギニアはかなり変なところなんですよ、と仕事でいっしょになった人が話してくれた。パプア・ニューギニアといってピンとくる人はなかなか少ない。インドネシアとかボルネオとか、あんなあたりにあるそこそこ大きな国で、1970年代だか80

  • Magazine ALC コラム 2006/12 - 現場にいくのがそんなに偉いか? 真の世界貢献とは

    『山形浩生の:世界を見るレッスン』 連載 8 回 現場にいくのがそんなに偉いか? 真の世界貢献とは 月刊『マガジン・アルク』 2006/12号 要約:GSM 携帯電話が世界に普及したことで、途上国の地方村落の通信状況は過去10年ほどで劇的に改善した。現場で途上国村落の通信改善をやっている NGO や援助関係者が束になってもかなわないほどの貢献を、GSM 電話の開発者たち(そしてその活動を支えた人々)は途上国に対してやったことになる。実際に途上国に出て現場で活動することにあこがれ(そして時に変な優越感)を抱く人がいるけれど、当に途上国の人のためになるのは、案外現場に敢えていかないことかもしれない。 昔ぼくの知っていたある NGO の女性は、途上国の村に非常用無線を入れるという活動をやっていた。そういう村は、急病人や非常時が起きても連絡がとれずに対応が遅れるケースが多い。だから、これは非常に

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    yugui 2007/06/03
  • Magazine ALC コラム 2006/10

    『山形浩生の:世界を見るレッスン』 連載 7 回 技術移転と「フランス人の箱」 月刊『マガジン・アルク』 2006/10号 要約:フランス技術者は日の発電事業者に「これには触るな」とブラックボックスを残していった。それに敢えてさわり、そのブラックボックスを自分のリスクでなくしたとき、日の電力技術は独立できた。教育はしばしば教えたことを暗唱できればおしまいだと思われがちだけれど、教育当にめざすべきなのは、生徒が自分たちの教えたことを超えて、ときにはその知識で刃向かってくれることなのだ。 前回に続いて、日が途上国だった頃の話と、その日が受けた技術移転の話をしようか。そもそも技術移転とは何をめざすべきなんだろうか、という話とともに。 もちろん表面上は、技術移転は技術を学んでくれればいい。電気だったら、オームの法則と安全な工事方法をおぼえて等々。教科書に書いてある通りに学んで、卒業試験

  • Technology and Fear(メディアと怪談とインターネット)

    1.パソコン通信の怪 しばらく前に、友人から聞いた話である。 パソコン通信ネットの多くは、コンピュータや映画、庭いじりといった具合に、テーマに応じてフォーラムやグループという専用書き込みエリアのようなものを設けている。みんな、そこに思い思いに質問や雑感などの書き込みを行い、それに対して返事や反応がさらに書き込まれ、そのやりとりが面白ければ、だんだんにフォーラムとして盛り上がりや活気が出てくる。 さて各フォーラム/グループ運営の責任はシスオペという議長役に与えられることが多い。うまく切り回してユーザにたくさんアクセスさせることができれば、接続時間が増えるし、人が人を呼んで他の同好の士が新規にそのパソコン通信ネットに加入したりするし、パソコンネットの経営から見ればきわめて好都合。このため、条件などについては箝口令が敷かれているそうで明らかにされることは少ないものの、アクセスが好調なフォーラム/

  • 法に抗っての進歩:アメリカにおける日本アニメの爆発的成長とファン流通、著作権

    Progress Against the Law: Fan Distribution, Copyright, and the Explosive Growth of Japanese Animation ショーン・レナード, Massachusetts Institute of Technology <http://web.mit.edu/seantek/www/> 翻訳:山形浩生 <https://cruel.org> 原著2004年4月29日、翻訳期間2004年8月10-29日- Ver.1.1 © 2003, 2004 by Sean Leonard and 山形浩生 作品はクリエイティブコモンズ の Attribution-NonCommercial-ShareAlike ライセンスを採用している。 pdf 版は https://cruel.org/other/animeprog

  • The Halloween Document: Japanese

     ハロウィーン文書 リンクやコピーは黙ってどうぞ。詳細はこちら。 1. はじめに。 1998 年 11 月頭、それはマイクロソフトがアメリカ司法省と丁々発止の法廷闘争をくり広げる一方で、フリーソフト/オープンソースがしだいに勢いをつけてきて、ただのホビイストのお遊びから実際のビジネスや業務での使用にも耐える格的なシステムとして認知度を高めていたときだった。そのときいきなりネット上にあらわれたのがこの文書である。 オープンソースソフトの代表格の一つである Linux はじょじょに各種サーバ市場に入り込み、NT の立場を脅かす存在になってきていたが、公式には MS は、「あんなのマニアのおもちゃ、ぼくたちはお金持ちの企業さん相手、格がちがうよ、はなから相手にする気はないね」的な発言をしてきていた。ところがこの文書では、MS はなんとオープンソフトをはっきり脅威として認識したうえで、どうやっ

  • Geek Guide for Girls: Japanese

    おたく男は乙女におすすめ A Girl's Guide to Geek Guys ミッキー・ハルピン & ヴィクトリア・マート 久霧亜子 訳 出版者コメント:許可をとらずにこの記事をコピーするでない! 考えてもごらんよ――オリジナリティのかけらもないではないの。しかも、初出の Bunnyhop にリンクすらはらずに、この記事をむしってった連中が何十人もいるんだよ。意地悪してるみたいでいやなんだけどさ、ごめんね。 ――セス 出版者コメントその 2:この記事は、著者たちの見解および経験を述べたもので、誌の見解とは関係ないのだ。さらに、この記事が書かれたのは 1994 年だってのはお忘れなく。ジェインウェイ船長になんで触れてないとか新シリーズのスタートレックなんたらがどうしたとかいうお怒りの手紙を送る前に、そこんとこちょいと考えておくれよね。 ほうほう、女々しく引きずってた、あのザ・サンドボッ

  • How To Become A Hacker: Japanese

    なぜこんな文書を書いたか わたしは Jargon Fileの編集者で、またその他似たような有名文書いくつかの著者なので、しばしば熱心なネットワーク初心者から「ウィザード級の大ハッカーになるにはどうやって勉強すればいいの?」といったようなお尋ねメールを頂きます。でもかつて 1996 年に、こんな大事な問題を扱った FAQ や Web 文書 はみあたらないことに気がつきました。というわけで、これを書き始めました。多くのハッカーがいまやこれを決定版と見なしているし、つまり実際に決定版なんだと思います。でも、この問題について自分が唯一無二の権威だと主張するつもりもありません。気にくわなければ、自分なりのヤツをどうぞ。 この文書をオフラインで読んでいるなら、最新版は次のところにあります。 http://www.catb.org/~esr/faqs/hacker-howto.html なお、この文書の

    yugui
    yugui 2006/04/13
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