◇家族・自宅失い、勤務先で寝泊まり 東日本大震災の発生から2カ月以上たち、被災地の自治体職員の心労はピークに達している。家族を亡くしたり自宅が流された職員も、職務を全うしようと不眠不休の日々を送る。一部の自治体は臨時職員を採用したが、多くの自治体は人手不足のまま。04年の新潟県中越地震では自治体職員が過労死するなど公務員の過度の負担が大きな問題となったが、今回の大震災でも被災地の公務を支える人々の健康状態が懸念されている。【鈴木梢】 宮城県気仙沼市教育委員会の職員、小野寺由喜(よしき)さん(27)は、津波で農協職員の父十一郎(とおいちろう)さん(55)を亡くした。同市の実家や妻子と暮らしていたアパートも流されたが、勤務先の同市市民会館が避難所となったため、震災直後から避難者のケアに奔走している。「仕事を離れたのは疲れてめまいが起きた時と父の葬儀で休んだ2回だけ」という小野寺さんは、市民会館