難民のほとんどはソマリア人とエリトリア人だったが、アフリカやアラブの人たちは、泳げない人がほとんどなので、船もろとも、大半が暗い海に沈んでしまった。どうにか浮かんでいて救助されたのは、たった155人だ。 その当日のニュースの映像では、引き揚げられた何百もの遺体がビニールにくるまれて、港に並べられていた。 そこへ、さらにどんどん運ばれてくる溺死体。あまりの惨状に、泣きながら死体を運んでいる人の姿もあり、見ているだけで胸が詰まった。難民ボートの事故としては、今までで最大であるという。 しかし、真の悲劇は、今回の被害の大きさではなく、地中海ではこれと同じことが常に起こっているということだ。 アフリカ大陸の、貧困、内乱、干ばつなどで絶望した人たちは、藁にもすがる気持ちでヨーロッパの地を目指して、おんぼろボートに乗り込む。2011年は「アラブの春」の影響もあり、人口4500人のランペドゥーサ島に、4