「過労死のない社会を目指して」と題するトークイベントが2014年 9月22日夜、東京・池袋のジュンク堂書店で開かれた。 「過労死等防止対策推進法」 (略称・過労死防止法) が 6月、議員立法として国会で成立したが、大きな推進力になった「過労死110 番」の川人博・弁護士と、中原のり子・東京過労死を考える家族の会代表が、その意義や苦労、これからを語り合った。 製糸場「世界遺産」の陰で何があったか 1998年に岩波新書から『過労自殺』を出版した川人さんは、今回の法成立で大幅に書き直した『過労自殺第二版』を出版、ジュンク堂が企画した。 川人さんはまず、群馬県の富岡製糸場の世界遺産登録を取り上げた。テレビや新聞などの報道は過熱したが、川人さんは「日本の製糸の歴史は女性労働者の過労死の歴史であることを、メディアは報じない」と鋭く指摘した。川人さんによると、富岡製糸場を含む製糸工場は「女工哀史」の現場