ピケティの「21世紀の資本」が自由主義に与えた衝撃 自由主義は、自由競争を徹底すれば機会の平等が得られるという思想である。誰にでも均等に成功のチャンスはある。格差は結果でしかなく、敗者は再び成功に向かってチャレンジすればよい。その象徴がアメリカンドリームだ。現在の経済学は単なる科学ではなく、このような思想をもとにしている。 ピケティの「21世紀の資本」(ISBN:4622078767)はここに楔を打ち込んだ。過去の資本を分析した結果、資本主義は原理的に固定した格差を生み出す。金持ちはより金持ちに貧乏人は貧乏人のままで、それが資本主義の原理であると。それは、ピケティが資本主義の第一法則と呼ぶもので単純に表せた。資本の平均年間収益率r>経済成長率g さらにピケティは、なぜ現在の経済学がこのような間違いを犯したか、説明する。それは戦争である。世界大戦で、金持ちの資産は解体した。そのために戦後は、