11月3日の23時に放送されたNews23にインタビュー出演しました。動画はこちらから見ることができます。 何故、研究者が中国に渡るのか?という特集でのインタビューでした。 テレビ出演ということもあり、私の周囲での反響は大きかったです。また、リンク先youtube動画へのコメントも11月7日現在400件以上のコメントが寄せられており、ある程度の注目を集めたのだと思います。 コメントの大部分は、「頭脳流出」が起きている日本の科学技術政策に対する批判で、我々研究者が常々抱いている、日本の科学技術政策に対する思いを一般の方とある程度共有できたのではないかと思っています。しかし、その一方で、事前に予想した通り、動画に対しては「売国奴」「中共に魂を売っている」などのコメントもありました。それらに対して簡潔にではありますが、自分の思いを綴っていきたいと思います。 ・何故、中国なのか? まず、私自身は「
動向レビュー 査読をめぐる新たな問題 同志社大学社会学部:佐藤翔(さとう しょう) 1.はじめに:でたらめな「査読」論文 2014年2月、英Nature誌電子版に衝撃的なニュースが掲載された。SpringerやIEEEが出版している会議録の中に、コンピュータで自動生成された、でたらめな論文が掲載されていたというのである(1)。発見したのは自動生成論文を発見する技術を開発したフランスの研究者、Cyril Labbéで、彼の技術により100本以上の論文が自動生成によるものと特定された。その中には「査読が行われている」としていた会議録に載ったものもあった。 このような査読制度の信用をゆるがす告発が近年、相次いでいる。研究の質を担保するフィルターとして機能してきた査読に今、何が起こっているのだろうか。 2.査読とは:形態と意義 学術雑誌に論文が投稿されると、編集者は内容を審査するにふさわしい外部
動物の行動に対する「なぜ」に対する答え方は、4通りあります。 1)機能 その行動にはどのような意味(価値)があるのか 2)機構 その行動は、どのような仕組みによって生じているのか 3)発達 その行動は、発達過程(生まれてから死ぬまで)を通してどのように獲得されたのか 4)進化 その行動は、進化の過程を通してどのように獲得されたのか この考えはオランダの動物行動学者ニコ・ティンバーゲンによって提唱されたことから、 ティンバーゲンの「4つのなぜ」と呼ばれています。 例として、「ホタルはなぜ光るの?」と問われたとしましょう。 ティンバーゲンの「4つのなぜ」の視点では、 1)機能 オスがメスを呼ぶ、求愛のため 2)機構 ホタル体内に存在するルシフェリンという化学物質が酵素ルシフェラーゼによって 分解された際に放出されるエネルギーが光になるため 3)発達 ホタルは生まれる前(卵の時)から発光器官を持
Online ISSN : 2424-127X Print ISSN : 0021-5007 ISSN-L : 0021-5007
Want to learn how to identify and solve every day ethical issues in engineering, science and Artificial Intelligence (AI)? If yes, this is the course for you! Ethics plays an integral role when it comes to engineering and science practice and recently is impacted by AI and big data analysis. This course originally released in 2017 teaches traditional preventive engineering ethics but emphasizes as
概要・学術書の翻訳は学術の、ひいては文化の地盤を固めるため重要である ・学術書の翻訳は部数が出ない(=儲からない)うえに、 最先端かつ幅広い知識が必要で、専業の翻訳家から敬遠されがち ・だから、研究者の参入が求められる ・しかし、業績としてあまり評価されないので研究者にも敬遠されがち ・しかも、常勤の大学教員は業務、ポスドクは業績稼ぎなどで多忙 ・業績として学術書の翻訳出版がもっと評価されれば、研究者も参入しやすい ・それはそれとして、訳者にも(学術的・社会的な)利点はある 【メッセージ】 ・研究者がもっと学術書の翻訳に参入すれば、社会全体の利益になる。 ・研究者が参入しやすくするために、翻訳を業績としてもっと評価すべき。 ぶっちゃけて言ってしまえば筆者のポジショントークなのだが、同業者への応援歌(けしかけ)でもある。研究者が積極的に学術書を翻訳するようになってほしいと思うし、そうでなけれ
まとめ にわかには信じがたい話:2019新型コロナウイルス(2019-nCoV)について『他のコロナウイルスには見られないH.. そういえば1月下旬の時点でこんなツイートがあったのを思い出しました →「30種の既知化合物に対し阻害活性を同定と発表。内12種はHIV治療薬」 https://twitter.com/HattoriM/status/1220986529712992256 続きのまとめを作りました→デリー大学の元の論文(査読前)も撤回へ/『新型コロナウイルスにHIVの配列が見つかった! 人工ウイルスだ!→配列検索(BLAST)かけたらHIVに限らず複数の生物種で共通の配列なんですけどの巻』 - Togetter https://togetter.com/li/1463758 4784 pv 3
http://dlit.hatenablog.com/entry/2018/10/10/080521 https://anond.hatelabo.jp/20181010122823 私もこの流れに賛同したので続きます。私は博士課程の学生なので、多少間違いがあるかもしれませんが、大筋は合ってると期待します。身バレしない程度にざっくりとした纏めにとどめますが、誤りがあった場合の修正については諸氏にお願いしたい。他の研究者の諸事情を聞くのは面白いですね。 はじめにCG分野の研究は、大雑把に分けると オフライン/リアルタイム レンダリング 流体/弾性体 シミュレーション モーション 形状解析および形状処理画像処理というようなモノになると思います。各分野を横断する様な複合的な研究も多いのですが、大雑把にというところでお許しください。最も著名な研究者は現在はドワンゴリサーチを主幹しておられる西田先生
人文系の文献の取り扱いとか業績についてちょっとだけ - dlitの殴り書き こちらの記事に賛同したので続いてみます。 確かに異分野の事情をお互いにわかっていたほうがみんな幸せになりますよね。パーマネントや学振の採用とか。 はじめに素粒子分野は大きく分けて 弦理論 (string)現象論 (phenomenology)格子場 (lattice)素粒子実験に分かれています。これらの間には超えられない壁がありまして全てをまとめるのはちょっと難しいのですがなんとか書いてみます。 間違いを見つけたら教えてください。 論文事情素粒子の論文は全て英語で書かれます。国内雑誌としてはPTEP(旧PTP)がありますがこちらも英文です。当然どれも査読があります。 業績リストの論文(査読なし)には国際会議や研究会の proceeding を載せたりします。 素粒子分野には論文投稿前に arXiv に載せる慣習があ
中谷 宇吉郎 岩波書店 (岩波新書 青版 313, G50), 1958年 HTML化: 増田 耕一 (作業中, ひととおり入力完了 2003年8月17日, 最新改訂 2018年3月21日) [HTML化についての注 (2018年3月21日補足)] 自分用に入力したものを暫定的に置いたもので、長期的に置き続けることは約束しません。 入力のまちがいに気づいたときには修正していますが、 全体を通して原文と読みあわせて校正はしていません。 原文で漢数字が使われているのを算用数字にしてしまったところがあります。 数式は、自己流にむりやりHTMLにしており、正しく読めるかどうか確かではありません。 とくに、数式の上線(オーバーライン)は正しく表現できていません (スタイルシートによる表現に思い至ったのですが、まだ実行していません)。 目次 ページ
日本人間行動進化学会(HBESJ)創設者の長谷川寿一・眞理子ご夫妻にとり,今年度は,寿一先生がこの3月で東大を退官,眞理子先生が昨年4月に総研大の学長に就任という節目の年にあたるということから記念講演会と謝恩パーティによる「節目を祝う会」が2月23日に開かれる運びとなった.光栄にも私にもご案内いただいたので,枯れ木も山の賑わいと参加させていただいた.ありがたく嬉しい限りである. 場所はご夫妻ご成婚の地でもある東京神田錦町の学士会館.受付を済ませると,式次第が特製のクリアホルダーとともに手渡される.キクマルのシルエットの中にクジャクやダマジカなどの動物がデザインされたしゃれたものだ.本催しの英語タイトルは「Celebrating the history of Hasegawa & Hasegawa Labs」ということになるらしい. 記念講演会 講演会の司会は佐倉統.司会も業績紹介者もいろい
捏造データ・画像を駆使した科学論文の数々… 科学研究はバレない程度の不正をしてポイントを稼ぎ合う世界になっていないか? それを防ぐためには現在の「査読」というシステムを根本から変えるべきではないか?
株式会社POLは、2022年7月31日をもちまして「LabBase X」「LabBase奨学金検索」「Lab-On」のサービス提供を終了させていただくこととなりました。 サービス開始より、長きにわたり多くのお客様にご利用いただきまして誠にありがとうございました。サービス終了に伴い、皆様には多大なご迷惑をおかけ致しますことを深くお詫び申し上げます。今後とも弊社サービスをご愛顧くださいますようお願い致します。 ■提供終了サービス ・LabBase X ・LabBase奨学金検索 ・Lab-On ■サービス提供終了日 2022年7月31日 ■お問い合わせ先 株式会社POL 電話番号:03-5962-9962
これだけ科学が発達している世の中ですが、私たちが普段口にする魚の個体数の長期的な振る舞いについては実はほとんどわかっていません。漁獲量記録でさかのぼれるのは今から110年くらい前からですが、数百年前、数千年前にどのような種がどれだけの数がいたか、科学的な知見は乏しいと言わざるをえません。ここでは、千年を超える連続的な魚の個体数変動記録としては世界で3例目となる大分県別府湾の海底堆積物中の魚鱗の数から復元されたイワシ類の個体数変動記録について紹介します。 世界の食料を支えるイワシ類資源 イワシ類は、世界で最も漁獲される魚で、世界の漁獲の6分の1を占め、ペルー・チリ沖、カリフォルニア沖、日本沖、アフリカ西岸沖に有数漁場があります。なかでもペルー沖のカタクチイワシは、多いときで年間1200万トンを超える漁獲があり、そのフィッシュミールや冷凍ものが世界中に輸出され、マグロ・ブリ・ハマチなどの養殖魚
赤池弘次さんは、日本の数理統計学者さんなんですね。 もともとは海軍兵学校から、第一高等学校と静岡で過ごし、東京大学に進学をする事になります。 1952年の25歳の時に統計数理研究所所員になり、その10年後に同研究所の第一研究部第二研究室長になります。 そこから研究部長〜研究所長にもなられた方なんですね。 赤池博士と聞いて有名なのが… AIC(赤池情報量規準)です。 この独自の方法を開拓したのが赤池弘次さんなんですね。 このAICというものは、統計学の世界では非常に有名な指標です。さらには、多くの統計ソフトに備わっているものでもあるんですね。 このAICについてもこれからなるべく噛み砕いて説明をしていきますね。 そもそも統計学とは!? 赤池弘次さんの職業は数理統計学者という事ですが、そもそも統計学とはなんぞや!? と思われる方がいらっしゃると思いますので、簡単に統計学について説明します。 普
東大教授の恫喝——優生学史研究を始めたころ 2017年10月4日 | 優生学史, 社会ダーウィニズム, 自跋 | 今は、優生学史の研究をすると言っても誰も怪しまない。ましてや、それを危険視することなど絶対にない。だが1970年代末は、事態はまったく違っていた。 数年前、ある大学の学位請求論文に、優生学史研究が提出され、審査員を依頼された。内容的にはじゅうぶんで何の問題もなかった。だが、この分野からしばらく遠ざかっていた私には、清々と優生学史が論じられ、議論が進んでいく雰囲気に、違和感を隠せなかった。私がドイツ優生学史を始めた当時、このような研究はナチス復活につながる危険な兆候と糾弾され、それに必死に抵抗した。そのことが、鮮やかによみがえってきたのである。 優生学史を研究課題に 話は40年前にさかのぼる。 1976年に私は、三菱化成生命科学研究所・社会生命科学研究室に採用され、科学史の担当と
教授になることが内定しました。 数多くの挫折感と戦友の屍をなんとか諦めずに乗り越えてきた。 望んだことでありガチの教授選に勝ってのことなので嬉しいといえば嬉しい。赴任先の大学のレベルも環境も待遇も文句ない。 教育も学内業務もやりきろうと思う。 でも、研究に対する今後のスタンスに戸惑いがある。 院生やポスドクの時は単に研究で知的に興奮できれば良かった。 でも、ある時に偉くなる努力から逃げてはいけない、さもなくば研究をすることさえできなくなると気付き、それほど面白くない研究でもポジション取りにつながるならとやってきた。 自分の中の研究に対する気持ちを抑えて、仕事として研究をしてきた。 でも、もう自分の気持ちに嘘をついて研究テーマを選ぶ必要はなくなる。 今のような世間の評価という名の受け狙いの研究方針は止めるべきだ。 いつまでも大学受験を語る東大生のようなことはしてはいけない。 ではポジション取
科研費は研究機関に所属する「研究者」を対象とする助成ですが、それ以外の人でも応募できる「奨励研究」という種目があります。 教育・研究機関の教職員等であって、他の科学研究費助成事業の応募資格を持たない者が一人で行う教育的・社会的意義を有する研究 奨励研究 | 科学研究費助成事業|日本学術振興会 私のような在野の(自称)研究者でも助成を得ることが可能な制度です。限度額が100万円と、一般的な科研費に比べるとごくごくわずかですが、仕事の合間に行う研究に100万円以上の金額を研究に使うことはかなり困難です。時間的に。 私はほぼ毎年のペースで応募していますが、採択されたのは10年ほど前に一度だけ。1年前の申請(研究計画書)はかなり自信があったのですが、あえなく不採択。 knada.hatenablog.com 例年の締め切りが12月上旬なので、今年こそは、と意気込んで11月下旬から研究計画書の作成に
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