死刑囚として初めて再審で無罪となった免田栄さんが死去した。95歳だった。司法も誤ることを身をもって示し、釈放後は冤罪(えんざい)の防止と死刑廃止を訴え続けた。 1948年に熊本県で起きた強盗殺人事件で、23歳の時に逮捕された。取り調べでは、板張りの床に正座させられ、肩を踏みつけられて、自白を迫られたという。 耐えきれず虚偽の「自白」をしたことが決め手になり、死刑が確定した。最高裁まで争ったが、無実の訴えは聞き入れられなかった。 6回目の再審請求が認められ、83年に無罪が確定した。アリバイがあったと認定され、強引でずさんな捜査が明らかになった。