米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は10日までに、米通信社ブルームバーグが中国指導部の親族の資産に関して調べた自社の記事について、中国当局から国外追放されることを懸念し、「自己検閲」により配信を取りやめたと報じた。 ブルームバーグは昨年6月、習近平国家主席(当時は副主席)の親族が巨額の蓄財をしていると報道。その後、同社ホームページは中国で閲覧できなくなり、新たに中国に長期赴任する記者にもビザが出なくなっているという。 同紙によると、記事は、中国の最高指導部である共産党政治局常務委員会の新旧メンバーの親族と、大富豪である中国人実業家との資産的つながりを取り上げた。ブルームバーグの社員によると、同社の編集幹部は今年10月、執筆した記者らに記事は配信しないと連絡、「配信すればわれわれは中国から追放される」と述べたという。(共同)【国際情勢分析 矢板明夫の目】「中国の報道は死んだ」―新快報事件