サントリーホールディングスとキリンホールディングスの経営統合は破談で終わったが、サントリーにはもう一つ別の“破談”がある。サントリーが生産、小売り大手のイオンがプライベートブランド(PB、自主企画)で販売した「第3のビール」だ。昨年7月の発売開始時にはジュースより安い1缶100円の激安価格が話題を集めたが、サントリーが昨年末で生産を停止し、イオンも在庫がなくなり次第販売をやめることが9日、分かった。関係者によると、価格戦略などで両社に溝が広がったためだという。その内幕を検証した。 「ビール類のPB商品は年間500万ケースは必要だ」 発売開始の1年前となる平成20年夏。サントリーの佐治信忠社長とイオンの岡田元也社長はトップ会談を行い、「第3のビール」のPB化で基本合意した。 イオンはPB商品の売上高で国内小売りトップ。業界では、まだPB化していない商品は「ホワイトスペース」と呼ばれるが、その