「福島について考えることが思想であり、日本の文化の先端なんだという空気をつくっていきたい」と話す東浩紀さん (野村成次撮影) ■「思想書として読んでほしい」 出版社「ゲンロン」代表で思想家の東浩紀(あずま・ひろき)さん(42)がこのほど刊行した『福島第一原発観光地化計画』(同社刊)が話題を呼んでいる。同原発の将来的な観光地化を目指し、さまざまな提案を行う内容だ。編者の東さんは同書を「思想書として読んでほしい」と語る。 今後も困難な廃炉作業が続く福島第1原発について、「観光地化」という言葉は意表を突く。不謹慎との反発があることは承知の上で、東さんは「この本の中で言いたかったのは、福島第1原発の事故をなかったことにして、風化させるのではなく、積極的に福島の未来に生かそうということ」と意図を説明する。 「たとえば広島。原爆を落とされた歴史を引き受けた上で復興し、世界の中で独自の地位を占めている。
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