「(それ以外にやりたいことがあるから)働きたくない」というのはいい。 問題は「働きたくない(が、他にしたいこととてない)」というケースである。これは要するに「したいこと」はないが「したくないこと」だけはあるという状態を意味する。そこで「働きたくない」という希望が叶ったらどうなるんだろう。まず、最も「したくないこと」が解消されてぽっかり空いた時間に自然と幸福が満ちてきたりはしない。世界はそう都合よくできてはいない。きっと、さしてすることもない休日がそのまま引き伸ばされたような、酷く密度の薄い時間がとろとろと流れ込んでくるだけだろう。そうして、また別の「したくないこと」が浮き彫りになってくる。 いちいち断るのも面倒だけれど、「したいこと」が「日がなごろごろすること」だったり「何もしなくていい時間をぼんやり過ごすこと」だったりするのは別に構わない。それは「(それ以外にやりたいことがあるから)働き