たまには目先を変えて、ヴィジュアル系の本を取り上げたいと思います。一番のおすすめは間違いなくこれです! アンディ・ライリー『自殺うさぎの本』(青山出版社)。タイトル通り、自殺するうさぎを描いた、ブラックユーモアあふれる一コママンガ集です。 何で自殺しちゃうの? とか、何でうさぎなの? という疑問は湧くのですが、それはそれとして、このうさぎたちの自殺の手段がことごとく、まわりくどいのが特徴です。虫眼鏡で焼け死のうとしたり、時計の針で首つりをしたりします。それらがすべて時間がかかったり、効率が悪すぎる方法なのが、ユーモアを醸し出します。 イラストの描線は単純で、うさぎの顔の表情も一向に変わらないのですが、それがまた妙なおかしさを増しています。 考えオチというものも多く、ノアの方舟に乗り込まない、とか磁石店と刃物店の間に立つ、などにいたっては抱腹絶倒です。とにかく一度見てもらえば、その面白さがわ