陽乖序乱、陰以待逆。暴戻恣睢、其勢自斃。順以動豫、豫順以動。 敵の内部で離反が起きて序列が乱れていることが明らかとなったなら、退いて異変が起きるのを待て。暴戻恣睢(ぼうれいしき:横暴で残忍な様)であれば、その勢は自ら斃(たお)れる。「順(じゅん)を以って動くならば豫(よ)、豫(よ)ならば順(じゅん)を以って動く(易経豫卦)」状況に順応して動こうとするならば、あらかじめ慮った上で慎重に備えをせよ。そのようにするからこそ、状況に順応して動くことができるのだ。 ※「順以動豫、豫順以動」は豫卦、すなわち雷地豫(らいちよ)の象。 敵の秩序に乱れがあれば我は放置して敵の自滅自壊を待つ。こちらが攻めずに放置すれば、敵は団結する理由を失い、内紛の火種は大きな火事となる。また、隔岸観火の語は、火攻めの極意を示しており、孫子の「火攻篇」の趣旨と同じだとも言う。 袁尚、袁煕は曹操に敗れて東の公孫康の下に敗走した