絵・オガワツヨシ 【編集委員・宮代栄一】かつては観光地などで見かけた「秘宝館」。「大人の遊艶地(ゆうえんち)」などと言われ、最近改めて脚光を浴びていますが、一体、誰がいつごろ始めたのでしょうか? 「秘宝館」が生まれたのは1971年。三重県でドライブインなどを経営していた実業家・松野正人さんが考案、同県伊勢市に建設した。その名も「元祖国際秘宝館」という。 写真家の都築響一さんは「性にまつわる品々を展示する施設なら以前からあった。でも、松野さんはマネキンなどを使い、性をテーマにした、まったく新しいエンターテインメントを作り上げた」と話す。 全国の秘宝館を紹介した『I●秘宝館(●はハート)』の監修者・酒井竜次さんによると、その後、類似施設が次々作られ、最盛期には北海道から九州まで約20館が存在した。しかし、「00年代以降は経営者の高齢化もあって閉館が相次ぎました」。 今や鬼怒川秘宝殿(