小さい頃から慣れ親しんでいるにもかかわらず、めったに語り合うことのない「近くて遠い芸術」俳句。荒井裕樹さん(障害者文化論)が、さまざまな分野の表現者と語り合う連続対談企画、第7弾の対談相手は俳人の十亀わらさん。作品を介して、みんなと語り合うことのできる「孤独」とはほど遠い俳句の奥深さについて語り合っていただきました。(構成/金子昂) 荒井 俳句って「近くて遠い芸術」ですよね。とても馴染みやすい表現方法でありながら、妙に敷居が高いところもある。俳句人口ってものすごく多いはずなのに、普段の生活で俳句の話をすることはめったにない。そんな「近くて遠い芸術」について知りたいと思って、今回は十亀わらさんにお声かけしました。 十亀さんは、俳句をなさる以前は詩を書かれていたようですね。「詩のボクシング」でもご活躍されていたとか。意識的に詩を書くようになったのはいつ頃からですか? 十亀 十代の頃です。人にう