いまなお中国政府の立場と異なる意見を発表する数少ない中国の良心的知識人の1人、賀衛方・北京大学教授にインタビューした。賀教授は中国の政治改革や司法改革を当局の圧力を受けながら20年以上にわたって訴え続けており、先日肝臓ガンで亡くなったノーベル平和賞受賞の民主活動家・劉暁波氏が起草の中心になって逮捕された2008年の「08憲章」にもいち早く署名した人物である。 当初、私は賀教授が来日中だった6月上旬に話を聞いていたのだが、その後、賀教授とも親交の深い劉暁波氏が末期ガンで非業の死を遂げ(2017年7月14日「『私に敵はいない』劉暁波を最後まで『敵』とした中国共産党」参照)、改めて、中国にいる賀教授に追加取材を行った。劉暁波氏の早すぎる死に対して、抑えきれない悲しみ、中国当局の無情に対する怒りが言葉の端々から溢れていた。
中国政府は4月13日、台湾のアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を当面認めないとの判断を下した。これで台湾はいわゆる「創始国メンバー」に入れないことが確定した。現時点で中国政府にこの件を決定する「権限」があるのかどうかにも疑問が残らないではないが、もともと中国側は台湾の参加を拒否しない意向を示しており、台湾もだからこそ参加を申請した。しかし、中国が極めて重視する「1つの中国」に関わる台湾の名称問題が絡むため、AIIBだけの問題でなくなり、メンバーが確定して合議制になって決定権を発揮しづらくなる前に、とりあえず参加を凍結せざるを得なくなったと見られる。 中国側は、「台湾が適切な名称で参加することを歓迎する」と表明しているように、台湾の参加自体を拒んだわけではない。しかし、台湾問題においては常に「適切な名称」のあり方がトラブルの種になってきた。日本でも昨年、「國立」を故宮展の名前に付ける
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