振り子が怖い。 振り子の何がそんなに怖いかってことを、どれだけ丁寧に説明したとしても、この文章を読んでくれる方々に伝えることはできないと思う。振り子にかかる重力と慣性が釣り合い、頂点で一瞬静止、再び落下する。その崩壊感覚がおれにはたまらなく恐ろしい。回転運動になってしまえば、まるで怖くない。何を言っているのかわからないと思う。家族や友人、恋人にだってこれは理解されない。だいたい、実家には普通に振り子時計があったし…。いや、別に恨み節を言いたいわけではないんだ。おれはそんなの当然だって思っている。ほんとに。 たとえば、おれだって、30センチの段差が怖い、なんていう人の気持ちを理解することなんてできないし、するつもりもないのだから、おれの苦痛だって誰にも理解されなくて当然だ。苦痛を誰とも分かち合えないからといって、それで別に不都合があるわけじゃない。それでも、はじめてGoogleで「振り子恐怖