考古学研究者の全国組織・日本考古学協会の理事会は、公募していた蔵書約6万3000冊の寄贈先に、奈良大図書館(奈良市)を内定した。5月17日、東京・日本大で開く総会で正式に決定する。 同協会は1948年の設立時から学術書の寄贈を受け、貸倉庫などに仮置きしてきた。予算面などから保管できなくなったため譲渡先を探したが、大量の図書を一括して受け入れられる機関が国内になく難航。2010年、公募に応じた英国の研究機関への寄贈を決めたが、会員が海外流出に反対し、臨時総会で白紙撤回された。 その後、特別委員会を設けて対応策を検討した結果、13年5~10月、改めて寄贈先を公募。応募があった2機関を審査し、受け入れ態勢が充実していることや、利便性が高いことなどから、奈良大図書館を選んだ。 同大学は15年度の学園創立90周年の記念事業と位置づけており、受け入れ後は文化財研究の目玉として、幅広く活用できる態勢を整