優れた古代史の書籍を表彰する「古代歴史文化賞」の選定委員会が開かれ、第2回大賞に市大樹(いち・ひろき)大阪大准教授の『飛鳥の木簡 古代史の新たな解明』(中央公論新社)が選ばれた。市准教授は会見で「この賞はもっと頑張れという激励だと思うので今後、ますます努力していきたい」と語った。準大賞は寺崎保広奈良大教授の『若い人に語る奈良時代の歴史』(吉川弘文館)に決まった。 同賞は古代史にゆかりが深い島根、奈良、三重、和歌山、宮崎の5県からなる古代歴史文化普及協議会の主催で、古代の歴史的事実をもとにした一般読者にも分かりやすい本が対象。 大賞受賞作は近年、飛鳥から出土している木簡(文字の書かれた木札)のうち、特に重要なものを取り上げ、背景にある古代国家形成の歴史を読み解く内容。選定委員長を務めた金田章裕京大名誉教授は「研究の最先端情報を惜しみなく盛り込み、学術的にも高く評価できる」と述べた。