木曽御岳の火砕流の画像をみた。 先週の金曜日に世田谷市民大学で火山噴火の話をしたのちなので、驚く。 高千穂への天孫降臨神話に「うきじまりそりたたして」という言葉がでてくる。 これは難解をもって知られるが、噴煙や火砕流の動きを表現するものだと講演で話した。 つまり、「浮いたり縮んだり、反り返ったり、立ったりして」という意味であって、これは火砕流の動きを描写した呪文であるというのが、私見。 御岳の噴煙と火砕流はまさにそういう感じである。 これはすでに『物語の中世』の学術文庫版のあとがきで書いているが、若干の説明をすると、全文は、「天の浮橋にうきじまりそりたたして」というもの。天の浮橋とは、「大きな岩石を天への梯(橋)とする観想」「岩石から思いついた(中略)天界と地界をつなぐ一種の梯」「聳え立って空裡にかかる岩石などからの示唆であるとすべき」というのが神話学の松村武雄氏の古典的な見解(『日本神話
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