自動車メーカーに加えて、グーグルなどのIT(情報技術)大手、ウーバーなどのライドシェア(相乗り)大手まで、様々な業種の企業が開発を加速させる自動運転車。異種格闘技戦ともいえる競争が激化する中で、ホンダはどのような自動運転車を実現しようとしているのか。自動運転車が普及するとどのような変化が起きるのか。ホンダの研究開発部門である本田技術研究所 四輪R&Dセンター統合制御開発室の杉本洋一上席研究員に話を聞いた。 多数の自動車メーカーに加えて、ソフトウエア会社や半導体メーカーが自動運転車の開発に力を注いでいます。自動運転車は社会をどのように変えていく可能性があるのでしょうか。 杉本洋一上席研究員(以下、杉本):クルマ社会にはさまざまな課題があります。まず都市部ではクルマの数が多くて、渋滞があり、駐車場も不足気味です。一方、郊外はクルマがないと非常に不便で、クルマはなくてはならない。過疎地では高齢化