産経新聞「国民の憲法」要綱に沿って新しい憲法ができれば、日本はどのように変わるのか。連載で説き起こしていく。◇ 憲法に国を守る明確な規定がないことが、どれほど日本の安全保障力を損なっているか。その弊害は意外なところに表れている。 東京都文京区本郷の小さな工房-。ここに、ヒト型ロボットの研究開発・製造では世界有数の技術を持つ生まれたばかりの株式会社が存在する。東京電力福島第1原子力発電所の事故をきっかけに、世界でロボット開発が加速されているが、この会社も注目を浴びる存在だ。 この工房のホームページ(HP)には、東京大大学院で30年以上のロボット研究の歴史を持つ情報システム工学研究室の「卒業生有志」らが会社を設立した、とある。ただ、このHPには書かれていないことがある。彼らが、ある技術開発のコンテストに参加するため、東大を退職する選択をしたことだ。 参加したのは、米国国防総省の国防高等研究計画