自分の祖母に長い間、参政権がなかったなんて想像がつかない。1946年の衆院選で当選し、初の女性国会議員の1人となった佐藤きよ子さん(1919~2019年)に本誌に登場していただこうと粘ったことがあった。 佐藤さんの近くにたまたまお住まいだったジャーナリストのIさんから佐藤さんのことを聞きつけ、市民を置き去りにした当時の安倍政権に対して佐藤さんが「どう感じているのか」「当時の状況は」と取材を進めてもらった。 佐藤さんは当時90代半ば、なかなか質問には答えていただけない。坂の上のお宅にIさんは足繁く通ったが、結局、企画は幻に終わった。 しかし、当時関わっていらした路上生活者支援のために毛布を集めることについては多弁で、「他者に献身する姿は当時から変わらないのだろう」とIさんと話したことを思い出す。 最近は権力欲ばかりの議員の露出が多くてうんざりだ。「爪の垢でも煎じて飲ませたい」とIさんだったら