先端技術情報の獲得を狙い、中国側が大学研究者や企業関係者らに多額の資金を提供するなどして抱き込みを図る事件が日米で相次いでいる。技術情報の海外流出を「経済安全保障上の危機」と捉える公安調査庁は全国で情報網を拡大、巧妙化する中国側の接触について背景を個別に分析し、不審な動きをあぶり出したい考えだ。 米司法当局は昨年1月、中国政府の人材獲得政策「千人計画」に参加し、中国側から金銭を支給されていたのに収入を虚偽申告していたとして、ナノテクノロジー分野で著名だったハーバード大教授を訴追。今年1月には、中国側からの約2900万ドル(約30億円)の資金提供を隠し、米エネルギー省の研究費をだまし取ったなどとして、マサチューセッツ工科大(MIT)の教授を訴追するなど、中国側とのつながりが浮上した研究者らの摘発が続く。 日本でも京都府警が令和元年、電子部品メーカーの技術情報を中国に持ち出したとして元社員を逮