室内の温熱環境条件や熱環境の人体影響などについて紹介していきたいと思います。 古来より日本の建物は、その気候風土に合わせて、日射を遮り、風通しをよくし、かつ吸湿性のよい材料を用いることにより、蒸し暑さを和らげるようつくられていました。冬は建物全体を暖めることはせず、いろり、こたつ、火鉢などにより身体の一部を暖める、いわゆる暖身が行われていたに過ぎませんでした。 暖房といえる機器が一般住宅に登場したのは、昭和30年以降、石油の大量消費時代を迎えてからの、灯油ストーブの普及がはじまりです。 近年では、生活水準向上、住宅構造の洋風化などに伴い、冷暖房機器の技術開発が進み、室内環境改善への要求が高まりつつあります。人間が建物の中で生活、休息、その他の行動をスムーズに行なっていく際の必要条件として、快適な温熱環境があげられます。寒すぎる、暑すぎるといった建物内では、居住者の生活が快適で健康的であると