私が日本人の英文を添削するときには,明らかな間違いだけでなく,英語として不自然な英文も直すようにしている。そのような英語らしくない英文は,ほとんどの場合,日本語の言い回しや文法の影響を受けて書かれている。今回は日本人が書く英文にしばしば見受けられる「日本語くさい英語」について考えてみよう。 主題と主語 次の文はその例である。 As for gases, their volume changes depending on the temperature. 気体は温度によって体積が変化する。 どこに日本語の影響があるかというと,文頭の「As for〜」である。文法上は間違いではないが,この表現の使用される頻度はネイティブが書いた英文よりも日本人が書いた英文,または和文の英訳文のほうがはるかに高い。これは,日本語と英語の間に根本的な違いがあるからである。 ここで言う日本語と英語の違いとは,何がセ