西 雄大 日経ビジネス記者 2002年同志社大学経済学部卒業。同年、日経BP社に入社。日経情報ストラテジー、日本経済新聞社出向、日経コンピュータ編集部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部記者。電機、ネットなどを担当する。 この著者の記事を見る
ライフネット生命保険が営業を開始して約1年が過ぎた2009年夏のことです。20代の社員に突然こう言われました。「出口さん、この日、1時間ほど時間を空けておいてください」。いったい何の用だろう。と思いつつ、私は、「いいですよ」と答えました。 前日、私は彼に聞きました。 「明日、時間は取ってあるけど、何をするんだっけ」 その若い社員はこう言いました。 「インターネットでのPR企画のため、二子玉川へ行って、多摩川の河川敷に降りてください」 「でえ、何をするんだい?」 「まずですね。今回の企画を考えてくれたウェブマガジン、デイリーポータルZのウェブマスター林雄司さんが、死亡保険に加入しよう、と河川敷に待ち受けています」 デイリーポータルZ? 何だ、それ? ヒーローロボット? 「それで、ですね。この林さんが、3枚の紙皿にそれぞれ、1,000万円、2,000万円、3,000万円と、死亡時の受取金額を書
「ザ・ターニングポイント~イノベーションの軌跡」は、テキスト記事と動画番組の組み合わせで多角的にお届けします。今回のテキスト記事では、星野リゾートが取り組む、従業員の生産性向上の取り組みと、旅館再生に情熱を燃やす若き総支配人を紹介します。 また動画番組では、星野佳路社長へのインタビューの様子をお送りします。日本の観光の変革に挑む思いを、星野社長が自らの言葉で語ります。ぜひご覧ください。 ※上記でご覧になれない方、またはOSがMACの方はこちらから (システム条件がWindows XP Service Pack 2 or Vista以降で、Quicktime7.2が必要です。MACの方は、Mac OS X v10.3.9とv10.4.9以降。必要に応じてインストールをお願いします。 Quicktime:windows/Mac) ※iTunesの登録はこちらから また、Windows Vist
情報があふれる世の中、大事な情報を漏らさず集め、的確に分析する力が重要と言われています。そして、モノはその集積と分析で作られがち。しかし、それが商品の魅力を殺してしまうことも。そもそも「好き」「嫌い」の判断すら、ネットの情報に頼っていませんか? いつの間にか、「私」の判断と思い込んでいたのが、実は「公」のそれになっていた…思い当たる方も当たらない方も、ぜひお読み下さい。 (前回から読む) 糸井 たとえば、「日経ビジネス」や日経関係の書籍を全部買ってくれて、でも仕事をいっさいせず、部屋に閉じこもってひたすら全部読んでくれる人が世の中にいたら、どう思いますか? ―― ものすごくありがたい方だと思います。が、その方はいったい… 糸井 存在として「謎」、でしょう? ―― 読者としてはありがたい存在ですけど、そもそも仕事もせずに部屋に閉じこもっていたら、せっかく得たビジネス知識を生かせないですよね。
ドワンゴ子会社のニワンゴ(東京都中央区)が提供するコメント投稿・表示機能付き動画サービス「ニコニコ動画」の成長が著しい。ネットレイティングス(東京都渋谷区)による、2007年8月度の家庭からのインターネット利用動向に関する調査結果によると、ニコニコ動画の利用者一人あたりの平均訪問回数は動画投稿サイト「YouTube」の5.2回を上回る8.8回。平均利用時間はYouTubeの1時間の3倍強となる3時間14分に達する。今や日本中の注目を浴びているニコニコ動画を提供するニワンゴの取締役西村博之氏に、ニコニコ動画のビジネスモデルや、著作権問題、広告展開の可能性などについて聞いた。 YouTubeを滞在時間などで超えたが。 楽しんで使ってくれているユーザーが増えてうれしいですが、ビジネス的には本当は半分の滞在時間で倍のユーザーが集まった方がうれしいんですよね。サービスを始めた初期は、YouTubeの
わが家のペットであるダックスフントの「ウィル」にはもっと感謝しなければいけないと思っている。たくさんの新しいアイデアは、ウィルとの散歩中に浮かんできた。散歩中にはポケットに小さなペンと紙を入れていて、何かを思いついた時や家に戻った時にすぐ書き留めることにしている。 同じことが言えるのは電車の中だ。電話もかかってこないし、誰も話しかけてこない。 私はほとんどの場合、カバンを持たない。少しまとまった仕事を自宅でする時は、必要なデータをUSBメモリーに入れて運べばいい。 散歩する時も、電車に乗る時も、手ブラで、つまり手足も自由にし、ストレスも消して、身も心も自由にセットしておくのだ。そうして頭の中の“CPU(中央演算処理装置)”を起動すると、いろいろなアイデアがアウトプットされてくる。 この効果は大きい。書籍の販売予測法もこうしてひらめいたし、このコラムの原稿の半数以上は、週日に温めておいたアイ
奈良県五條市に事務局を置く「日本割箸輸入協会」が公表している「割箸輸入統計表」によれば、日本の2006年度の割り箸輸入量は489万3976カートン(1カートン=5000膳)で、その実数は244億6988万膳である。(註: 膳=箸2本を1対として数える)。一方、国産割り箸の生産量を示す統計数字はないが、林野庁が2005年度の生産量を4億5000万膳と推定しているので、これを準用すると、輸入品と国産品の総量は約250億膳となる。 日本人は2日に一回以上は割り箸を使っている 日本の2007年1月1日時点における推計総人口は約1億2777万人だが、ここから箸の使えない0~4歳の人口約549万人を差し引くと約1億2228万人となり、1人当たりの割り箸消費量は年間で約204膳という計算になる。これは5歳以上の国民が1人当たり2日に1回以上の頻度で割り箸を使用していることを意味しているわけで、驚異的な数
木村 美術作品を鑑賞する際に、「自分の感性で、自由に見ればいい」と言う人がいます。自分の好き嫌いを語るだけならば、それでもいいかもしれません。でも、もしも皆さんが欧米の大企業のトップ層や上流階級の人たちと会い、美術の話をするような機会があったら、自分の感性だけで美術を語るのはやめた方が賢明です。 西洋美術とは、古代ギリシア以来の極めて理性的な文明の中で生まれてきたのです。日本人が自分の感性で、自分たちとは全く違う文明、文化を理解し、語ろうというのは、無理なことではないでしょうか。 美術は決して感性だけで理解できるものではないのです。そもそも美術とは「見る」ものではなく、「読む」ものだからです。作品に込められた背景や物語を理解してこそ、その作品を味わい、楽しむことができるのです。 多くの人にとって、西洋美術が分からないのは当たり前です。美術史を学んでいないのですから。欧米人だって、美術史を学
周囲は見渡す限りの田んぼ。その中に突然、最先端の半導体工場が現われる。何とも不思議な光景である。 しかも、日本の半導体産業は台湾や韓国メーカーに追い上げられて業績が厳しい企業が多い中、ここは数十億円規模の売上高でまだ小さいとはいえ年率3~4割も売り上げを伸ばしている。世界中から注目されている急成長企業なのだ。 多品種少量に大手は二の足、そこにチャンスあり 1998年に設立されたケイ・エス・ティ・ワールド(以下KSTワールド、福井市)である。半導体と言っても、パソコンの中心部に使われているCPU(中央処理演算装置)やDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)、フラッシュメモリーといった、私たちになじみの深い半導体を生産しているのではない。 半導体製造装置メーカーなどが自社製品の評価に使うプロ向けのシリコンウエハーを作っている。 一般消費者向けと違って大量に売れる製品ではない
言うまでもなく、著作権保護はデジタル放送時代の重要な課題だ。しかし、実際には既得権益を守り、新規参入を阻むための“便利な口実”になっているのではないか──。NHK出身で放送業界に詳しい池田信夫氏は、そこに甘えの体質があると指摘する。(聞き手は、日経ビジネス オンライン副編集長=水野 博泰) (前編へ) NBO ただ、放送映像の著作権を保護しなければならないという放送局や著作権者の主張はもっともだと思うのですが…。アナログでコピーすると映像品質が劣化しますが、デジタルでは高品質のまま複製できてしまいますから。 池田 著作権の保護と言いますが、注意深く見てください。著作権を守れって声高に叫んでいるのは著作者やクリエーターではなく、真ん中に入って仲介している人たちですよ。現場のクリエーターたちが「コピーワンスでなければ困ります」なんて言っているのを、僕はあまり聞いたことがない。 僕はいつも言って
3月7日。世界中からゲームクリエイターが集ったゲーム開発者会議(GDC2007)において、プレイステーション3(以下PS3)用の新サービスが発表されました。オンラインのユーザーコミュニケーションサービス「Home」です。 このサービスを説明するのは、ちょっと難しい。厳密にいうと、これは「3Dで作られた世界の中を、プレイヤーが自由に歩きまわれるサービス」――となるのですが、そう説明されても、多くの人が「で、それって何が面白いの?」と当惑してしまうからですね。 なので、やや誤解されることを覚悟のうえで、当コラムでは、以下のように「Home」を説明することにします。 これは、「mixi(ミクシィ)に代表されるようなSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が進化・発展したもの」です。3D世界の中で、気に入った友人たちと集まって、みんなで交流することが楽しい! というサービスだと考えてくださ
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 景気は回復基調にあるようだが、まだ日本は自信を回復するまでには至っていない。今の日本が経済的に世界を牽引していると感じる方はそう多くないだろう。BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)をはじめとする発展途上国が急速に存在感を増していることや、高度経済成長のシンボルだったエレクトロニクス産業の国際競争力に疑問符がついていることなどが、日本の復活を印象づけられない背景にある。 日本の頭越しに物事が進むジャパンパッシングは、様々な分野でどんどん進行している。国際物流では、日本に国際ハブ港がなくなって久しい。EU(欧州連合)や北米向けのコンテナ船で日本に寄港するのは10~30%に過ぎない。例外はあるが、以前このコラムでも書いたようにアジア諸国では
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 「金融業界は弱者に全く関心を持っていない」 ほとんどの人はそう信じている。中所得層以下の人々は最終損益にほとんど貢献しないからだ。現代の巨大銀行や金融取引で金儲けする天才たちは、教会や好みの慈善団体、家族や友人たちには気前が良いかもしれないが、いざ仕事となると利潤の追求は容赦ない。 その認識は大体正しいが、完全にそうというわけではない。昨年10月にノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行創設者のムハマド・ユヌス氏を考えてみてほしい。ユヌス氏がバングラデシュで1976年に設立したグラミン銀行は、貧困層に少額融資をして貧困からの脱却を手助けしてきた。それでもグラミン銀行の利益は増え続け、彼らが提供し始めた「マイクロクレジット(少額無担保融資)」の仕組
今のままのガソリンエンジン車を販売すれば、罰金を支払う日が来るかもしれない――。 自動車会社が危機感を強めるのは、12月15日に国土交通省と経済産業省が合同審議会でまとめる見込みの「燃費規制値を現行値から30%弱引き上げる」という新規制案にある。 新規制は2015年をメドに導入される見通しで、未達成の場合は企業名の公表のほか、勧告や命令を下し、最終的に改善しない場合は100万円以下の罰金を言い渡す。「環境技術を打ち出す自動車会社が多い中、違反すればイメージの悪化は避けられない。企業も意識するはず」と経産省は目論む。 現段階で、日本の自動車の平均燃費は1リットル当たり15.4 kmで、基本的には2010年までの燃費規制を達成している。2015年の燃費規制では測定方法が変わるが、現行の測定方法では同19km程度となる。各社は国内で販売する全自動車の平均値が新規制値を超える義務を負う。 これまで
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