昨日、福岡市内で市民連合の共同代表の山口二郎教授の講演を聴きました。そのなかで山口先生が「枝野的保守」という表現を使っていました。 このところ枝野幸男代表は、しばしば「保守」を自称しています。世間一般のイメージでは、立憲民主党イコール「中道リベラル」という感じだと思います。そのため枝野さんが「保守」を自称しているのを不思議に思う人も多いでしょうが、山口先生の説明を聴くとよく理解できました。今日は山口先生の説明を踏まえて、「枝野的保守」とその背景について書いてみます。 1.リベラルとは何か? 日本のリベラルの伝統は、戦前の石橋湛山や斎藤隆夫にさかのぼる。独裁(軍国主義)や戦争に反対するのは、日本近代リベラルの伝統である。 アメリカ民主党的なリベラルの次の2つの要素も重要である。1つ目は、個人の尊厳を守り、あらゆる差別を許さない。2つ目は、すべての人の自由を保障するために、格差や貧困を放置しな