「アニサキス」という寄生虫をご存じだろうか。サバをはじめ、日本人が頻繁に食べる魚介類にその幼虫が寄生している。釣った魚をさばいたり、時にはスーパーで買ったパックの切り身にも見かけたりするほど「身近」だ。 体長2~3センチの白っぽく細長い線虫で、ウネウネと動く姿は気味が悪い。誤って口に入れると、激しい腹痛に襲われる厄介者で、アニサキスによる食中毒の報告件数は年間100件を超えている。 日本の年間患者数は米国の100倍 厚生労働省のウェブサイトによると、過去3年間のアニサキスによる食中毒届出患者数は、2014年が79件、15年が133件、16年が126件となった。この2年間は、3ケタを数える。 月ごとに見ると、その年によって増減する時期が異なり、明確な傾向がつかみにくい。2016年の場合は5~7月に患者数が多かった。 国立感染症研究所の2014年5月13日付報告では、アニサキスを原因とする「ア