【ロンドン=木村正人】スペインの主要都市では11日、広場に大型スクリーンが設置され、悲願の初優勝に市民が大歓声を上げた。経済危機で失業率が20%に達し、財政不安におびえるスペインだが、歴史に残る快挙に国民は力づけられたようだ。 バルセロナのスペイン広場に数万人が詰めかけ、カタルーニャ旗より多くのスペイン国旗が打ち振られた。バルセロナでスペイン国旗の方が目立つのは異例のことだという。 東部カタルーニャ自治州の州都バルセロナはスペイン内戦後、フランコ総統の専制に苦しめられた。このため、代表チームの半分を占めるバルセロナ出身の選手は今でも試合前の国歌斉唱を拒否している。 英紙ガーディアン(電子版)によると、市民の一部は「スペインを代表してではなく、カタルーニャのためにプレーしてほしい」と複雑な感情をのぞかせた。スペイン代表では、決勝点をあげたイニエスタや中盤の中核シャビ、DFの中心プジョル