師走も押し迫った31日、2006年の先行きを危ぶませるニュースが飛び込んできた。来年の干支を担当する戌さんが急病で倒れ、訪日できなくなったという。戌さんは天竺から日本へのチャーター便できょう成田空港に到着する予定だったが、急遽キャンセルされた。干支タレントを管理しているエト・エージェンシーでは、代理の干支を派遣する方向で調整中だ。 戌さんが倒れたのは30日深夜。急に高熱を出し、好物の骨もまったくうけつけない状態になったためドクターストップがかかった。医師の見立てでは病名は猫ジステンパーのもよう。犬が罹患するのはめずらしい病気だが、感染の原因は今のところわかっていない。 来年の干支を担当する戌さんが降板したことで、代理登板することになったのがネコさん。戌さんとは同じネコ目の仲間だということでの大抜擢だ。過去に正式な干支をつとめた経験はないが、「そつなくこなす自信がある」と猫なで声で集まった報
プロレスに、理屈なし。 丸井乙生=文 text by Itsuki Marui 島崎忠彦=写真 photograph by Tadahiko Shimazaki 2005年10月12日 プロレス界はこれまで、治外法権の世界だった。宿敵に「ブッ殺してやる」と言われ、「脅されたんです」と警察に駆け込むレスラーは皆無だ。試合を前に対戦相手と舌戦を繰り広げたら、観衆の前で恥部を暴露されてしまい、「名誉を毀損されました」と弁護士に相談に行く者もいない。試合後に選手が敵方の若手を連れ去る場合も多々あるが、「後輩がさらわれたんです」と110番するアホウは聞いたことがなかった。 脅迫、名誉毀損、未成年略取も罪として成立しないのは、リング上での事はすべてリング上での戦いで解決するというプロレスの流儀があるからだ。言ってみれば、全ては果たし合いで決着をつける武士のような世界。ちと褒めすぎだ。とに
和泉流二十世宗家の「人生劇場」 丸井乙生=文 text by Itsuki Marui 島崎忠彦=写真 photograph by Tadahiko Shimazaki 2005年11月14日 ツッコミどころの多い人生を送ってきました。あれは3年前。ダブルブッキングの常習犯と言われ、ワイドショーを賑わせました。言いがかりです。岐阜県可児市から東京都新宿区までの400キロ超、ヘリコプターと小型ジェット機で移動して、両公演にキッチリ出演いたしました。ダブルブッキングではなく「掛け持ち」であります。赤字は出たけど。 その余波なのでしょうか。01年にNHKの大河ドラマで主役を張った私が、その翌02年には諸事情により、能楽協会から除名処分を受けました。いいのいいの、和泉流二十世宗家はこんな事ではくじけないの。あれから、室町時代以降600年続く伝統のエンターテイナー・狂言師として精進して
ショーグン、シウバを育てた名白楽 石塚隆=文 text by Takashi Ishizuka 井賀孝=写真 photograph by Takasi Iga 2005年8月31日 現在、空前のブームがつづいている格闘技。ここでは、大会を観戦しただけではわからない選手や関係者の素顔、または格闘技をとりまく情勢などを上からの視点ではなく冷静にとらえていく、マニアックになりすぎず、けど痒いところに手が届く、そんな連載にしていきたいと思っています。 8月28日に行なわれた『PRIDEミドル級GP決勝戦』。優勝者が決まった瞬間、リングサイドに張りついていたカメラマンを強引に引っぺがすように、ある一団がリング上に雪崩れこんだ。痛みに苦悶する受難のカメラマンを尻目にリングはまるでリオのカーニバル。輪の中心にはミドル級GPを制したマウリシオ・ショーグンの姿があり、取り囲むように所属するシュ
PRIDEの聖地 石塚隆=文 text by Takashi Ishizuka 写真=近藤俊哉 photograph by Toshiya Kondo 2005年10月31日 すっかり見なれた光景──。 都心から40〜50分、『さいたま新都心駅』の改札を出て、ごったがえす人波に身をまかせつつ歩道を歩いていくと、広場の奥に巨大な白い建物が現われる。 『さいたまスーパーアリーナ(以下SSA)』 PRIDEに出場が決まったある選手が感慨を込めてこう言う。 「やっぱ、PRIDEといったら『SSA』っすよね。あそこで戦えるのは、ある意味、格闘家にとって“夢”とか“誇り”みたいなもんですよ」 “格闘技の聖地”といえば、連日のようにボクシングやプロレスが開催されている『後楽園ホール』を思い浮かべるが、ことPRIDEに限って“聖地”とは、『SSA』を指すのである。 PRIDEの興行
レイザーラモンHGに、2万人総立ち。 丸井乙生=文 text by Itsuki Marui 島崎忠彦=写真 photograph by Tadahiko Shimazaki 2005年12月9日 真面目な方はここから先、決して読んではいけません。まさか、こんな日がやってくるとは。「ハードゲイ」を売りにするお笑い芸人、レイザーラモンHGの事である。 レザーのベスト、ショートパンツでスネ毛も省みず、同じくレザー帽にサングラスをかけて腰を超高速で振りながら、お茶の間に向けて「フォー」と叫ぶ。明治生まれには、確実に受け入れがたいキャラクターだったろう。記者は腰を振るHGを初めてテレビで見た時、「万歩計」という言葉が脳裏をよぎったが、人気はうなぎ登り。テレビ各局各番組に出まくり、細木数子と対決しても腰を振り続けるという勇気ある行動でキャラクターを貫いた。11月3日には大河ドラマ型プロ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く