橋下 徹・大阪市長が弁護士時代に書いた、知られざる著作物に関心を持つひとりの文学者がいた。高橋源一郎その人である。『心理戦で絶対負けない交渉術』と『どうして君は友だちがいないのか』。この2冊をテキストに、現・国民的人気政治家の正体解明に挑む。 たかはし・げんいちろう 1951年生まれ。81年『さようなら、ギャングたち』で第4回群像新人長篇小説賞優秀作受賞。88年『優雅で感傷的な日本野球』で第1回三島由紀夫賞受賞。2002年『日本文学盛衰史』で第13回伊藤整文学賞受賞。著書多数。最新刊は『さよなら クリストファー・ロビン』。 正しさの秘密 いま、この国で、「橋下 徹」が大流行している。「総理にしたい政治家」のアンケートをとれば一番、次から次と、人びとを興奮させ、共感させるメッセージを発信し、熱狂的なファンを産み出しつつある。彼に匹敵する人気を誇るものといえば、AKB48の他にはあるまい。も