بسم الله الرحمن الرحيم 『イスラーム革命の本質と目的 - 大地の解放のカリフ制』 Ⅰ. イスラーム政治論概説 序. イスラームには「供物」がない。 偶像崇拝を厳禁するイスラームに神像がないことは周知であろう。モスクは何もない空間であり、画像にせよ、彫像にせよ、神を表す像は一切存在しない。 モスクには神の像がないだけではなく祭壇がない。教会、寺院、神社などで見られるような、線香、灯明、花などが捧げられる場がモスクには一切ない。 仏壇や神棚にお供えをし、そのお下がりを人間がいただく、といった象徴的行為としてさえも、イスラームには神に供え物をするということがない。 同じく偶像崇拝を禁ずるユダヤ教では、正式な儀礼では、幕屋の祭壇を作り、動物を屠り焼き尽くしその煙を主に捧げる。ちなみにこの聖書の儀礼の「焼き尽くす」(ヘブライ語ではolah)がナチスの「ホロコースト」の原義である