昭和八年、なぜかバーナード・ショーが来日していいる。当時七七歳。とにかく過激なことを口走るこの皮肉屋の「いぢわるじいさん」が、どんな用があって日本に来たのか。 「私が来たんじゃない。適当に船が着いたから降りただけだ」みたいなことを言って知らんぷりしてたようだが、誰がセッティングしたのか荒木貞夫陸軍大臣と対談したりしている。 三月八日の東京朝日に、その様子が少しだけ載っている。(以下新仮名遣いにしてあります) ショウ翁「近代戦には個人的勇気など何の足しにもならない。筋肉の強さなど不必要だ。ボタン一つ押せばタンクが動き飛行機が活躍するようになれば個人の勇気や力など無駄になる。そうなれば私のような老人にも戦争ができる。一体今の戦争では若いものばかり動員するがそれは大間違いだ。八十歳ぐらいの老人を真っ先に動員して次は七十……六十と一線に繰出して将来役に立つ青年は後に残して置すべきだ」 荒木陸相「人
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