■岡田一郎著『日本社会党-その組織と衰亡の歴史』 合評会記録(要約)(05年7月8日・第19回戦後期社会党史研究会) ──────────────────────────────── 加藤宣幸(以下、加藤):木下先生よりまず簡単に総評をしていただいて、質疑に入ります。 木下真志: 本書の長所は何といっても、購入しやすい金額です。現在、高等学校で使われている教科書より少し高い程度の金額で買えるのは、非常に良心的だと思います。 また、時系列的に記述されており、初心者にも親切な構造になっているのも長所といえます。戦前から今日まで書かれた日本社会党の通史というのはなかったので、20歳ぐらいで社会党のことを何も知らない学生には比較的入手しやすい本のように思われました。社会党のことを総覧する本としてはこれまでなかったタイプの本です。 著者が隣にいて、話しにくいのですが。課題について触れますと、副題に「