タグ

ブックマーク / tsuka-ryo.hatenablog.com (6)

  • 日本カント協会編『日本カント研究8 カントと心の哲学』 - Repeat The Ending

    戸田山和久「カントを自然化する」 認知科学の基的なテーゼのいくつかはカントにまで遡る、というのは古くから指摘されていて、デネットは、およそ何者かが経験することができるのはいかにしてか、というカントの問いを、システムがどのようにしたらXを成し遂げることができるのか、という工学的問題の極限に位置づけているし*1、チャーチランドも、神経哲学の前史について述べる章で、カントを内省的方法を心の研究から排除した先駆者として位置づけている*2。 カントが生きていた時代の心理学の状況は、新しい経験的な心理学が始まっていて、そこに内省主義的心理学からの極端なバックラッシュが起こっている、という状況だったという。カントが愛読していたテーテンスも経験的探求は肯定するが、心はその対象になりえないとしている。 そんな状況の中カントはどういう立場だったのよ、といえば微妙な立場だったようだ。カントは内省という方法に不

    日本カント協会編『日本カント研究8 カントと心の哲学』 - Repeat The Ending
  • 奇妙なすれ違い─伊勢田哲治・藤野寛による鶴見俊輔インタビュー - Repeat The Ending

    鶴見俊輔に関しては正直ノーマークだった。プラグマティズムの輸入者程度に思っていた。 まさかハーバード大学でホワイトヘッドやラッセル、クワイン、カルナップといった英米系哲学者の、目もくらむメンツに直で教わっていたとは。 しかも分析哲学・科学哲学の俊英・伊勢田哲治氏が雑誌でインタビューしてるというじゃありませんか。伊勢田哲治氏がその事実を知った時はさぞや意外に感じただろうな、と思う。俺も何かの検索でみつけた時はびっくりした。 伊勢田氏が鶴見氏に突撃し、「あーた、いかにも日風の思想家っぽく振舞ってるけど元々まっとうな分析哲学者だったんじゃないですかあ!」と問い詰めたり(そこまでカジュアルに言ってないけど大意は大体あってる)鶴見俊輔論を書いているのが『思想』2009年第5号の以下の記事。 ・『思想の科学』の原点をめぐって─鶴見俊輔氏に聞く─ 聞き手:藤野寛、伊勢田哲治 ・「言葉の力をめぐる考察」

    奇妙なすれ違い─伊勢田哲治・藤野寛による鶴見俊輔インタビュー - Repeat The Ending
  • ルイ・メナンド『メタフィジカル・クラブ―米国100年の精神史』 - Repeat The Ending

    読書 | 15:14 | 書は、南北戦争、ダートマス・カレッジ事件、プルマン・ストライキといった米国社会史上の重要事件に巻き込まれながらもその思想を洗練させていったプラグマティズムの思想家たちの生涯と思想を通じて南北戦争から冷戦期にいたる100年あまりの米国史を叙述している。書の主要な登場人物はウィリアム・ジェイムズ、チャールズ・サンダース・パース、ジョン・デューイ、オリヴァー・ウェンデル・ホウムズ・ジュニアの4人。原著は2001年に出ており、2002年には報道、文芸、音楽に与えられる米国で最も権威ある賞とされるピューリッツァー賞を受賞している。邦訳よりずっと安く買えるamazon.comのレビューみるとかなり評価高いのだけど、これだけの賞賛が日でも得られるかどうかは未知数。というのも邦訳だと6000とかすんのよねコレ……うーん、原著との価格差が悩ましい。http://www.ama

  • スコット・O・リリエンフェルドほか『本当は間違っている心理学の話 - 50の俗説の正体を暴く』 - Repeat The Ending

    「サブリミナル効果でものを買わせることができる」とか「怒りは抱え込まず発散したほうがいい」といった通俗心理学に対してより巧みに操作された実験データによってそれらが不適切なことを明らかにしていく科学的な心理学の、 とかいうと一部苦い顔する人がいるのはわかりすぎるほどわかってはいるんですが(現象学や精神分析に通じてる人とか) 疑似科学の批判は片手間にはできない。それじたいを科学的に行おうとするならそれなりの手間暇がかかる。それをサボるなということだ。 という訳者解説の一節が素晴らしいので紹介。まあ、当たり前の話なんですけど。少なくとも書は参照文献が53ページ分と膨大で「自分にとって都合の悪い説だし仲のいいトモダチがトンデモって言ってたから一緒になってDISる」といったお手軽なものではありません。 「数百年前に広く信じられていたことが今ウソだというなら現在科学的に妥当とされている説だって数百

    スコット・O・リリエンフェルドほか『本当は間違っている心理学の話 - 50の俗説の正体を暴く』 - Repeat The Ending
    fromAmbertoZen
    fromAmbertoZen 2014/04/17
    八田武志,戸田山和久,唐沢穣(監訳)か。
  • 無題 - Repeat The Ending

    最近新書を出した戸田山さんの立場についてじゃっかんのフォロー 戸田山の立場 1.「物質的世界のしくみがどうなっているか」については経験的探求を優れた手段とみなす 2.科学的考慮を超えた、経済的・社会的・倫理的考慮が入り込んでくる問題に対して科学・技術の専門家だけには任せてはいけないと考える 以下は科学的実在論論争の往復書簡で科学的合理性の優位性を強調する戸田山さんに対して伊勢田哲治さんが異論を呈するところから。 伊勢田さんによる第4信(RATIO6号 p.312) 今回のお返事には長年科学技術社会論(STS)などの研究を戸田山さんと一緒にやってきた者として正直ちょっと驚いています。戸田山さんは科学的合理性以外の合理性は認めないのですか?市民と科学者の双方向コミュニケーションに基づいてリスクの見積もりや科学技術の政策決定をしましょう、といったSTSの基的な考え方は、科学的合理性の他に社会的

    無題 - Repeat The Ending
  • <分析>哲学者・戸田山和久著作ダイジェスト - Repeat The Ending

    さしあたり更新おやすみ中です。 戸田山和久さんはいわゆる分析系――戸田山さんや飯田隆さんにいわせると「分析系」とひとくくりにすることが今や期限切れということになるのでしょうが――の哲学者で、単著ではかなり一般向けのを書いていて、マニアックなトピックは雑誌やアンソロジーで扱っているという印象です。『科学哲学の冒険』などで戸田山さんは<分析系>の哲学者としては有名なほうだと思うのですが、論文の多くは一般読者の目にとまりにくいところで書かれてたりするので、その全貌がちょっとわかりづらいことになっていると思います。せっかくファンになっても単著で止まってしまうのはもったいないと思い、そこからディープな戸田山ワールドへ進んでいけるようこれまでの仕事に少し光を当てられたら、と思いました。 容易に入手できるもので哲学関係のものはほとんど読んだと思いますが、もちろん見逃しがある可能性はあります。なお、読ん

    <分析>哲学者・戸田山和久著作ダイジェスト - Repeat The Ending
  • 1