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ブックマーク / ytb-logic.blogspot.com (3)

  • ホントツキ文はホントウなのか

    お久しぶりです。このブログの更新も年に一回ペースとなってきましたが、日は真理理論についてです。先週末、大学院の研究科横断授業において、真理理論のミニコースをやったんですが、初日の土曜日の夕方に悪さをしない自己言及文である「ホントツキ文(truth teller)」の話になりました。これは、 この文はホントである という文です。この文を否定したらウソツキ文「この文はウソである」ですね。 ホントツキ文とウソツキ文の違いは、もちろん、ウソツキ文は存在を認めるだけで矛盾を導くけれど、ホントツキ文は認めても何も問題を起こさない、ということです。 ホントツキ文が真だとしましょう。この場合、ホントツキ文は真になります。だってホントツキ文が真であることが真だから…そりゃそうだ。 ホントツキ文が偽だとしましょう。この場合、ホントツキ文は偽になります。だってホントツキ文が偽であることが真だから…そうだね、偽

  • スタニスワフ・レム「天の声」についてのメモ

    「『天の声』はレムの最も魅惑的だが同時に好きになれない作品となるのである」(フレデリック・ジェイムソン「未来の考古学」Ip.187) 「天の声」は不可知論小説であり、劇的なクライマックスは決してやってこず、大騒ぎしても結局何も起きない徒労感がメインテーマである。…こういうと見も蓋もないが、そもそも科学研究とはこういうものであり、その意味で非常にリアルな小説である。 第一章       大きな波 第一節 ファーストコンタクト 宇宙人は啓蒙時代には既に人気のテーマであり、宇宙人とのファーストコンタクトは、ウェルズの時代には既にSFの重要なテーマとなっていたが、その場合、宇宙人を外敵=安全保障上の脅威と重ね合わせてイメージする事が多かった。ウェルズは、「宇宙戦争」において、平和なロンドンの日常が火星人の侵略により急に破壊される光景を描いた(レムは、第二次世界大戦時のドイツ軍のポーランド侵略の経験

  • ゲーデルによるアメリカ合衆国を遵法的に独裁化する方法

    以前twitterに書いた既出な話なのですが、まとめとして書いておきます。 ゲーデルがアメリカの国籍取得審査の際に「アメリカ憲法下で合法的に独裁体制樹立が可能だ」と述べた話は有名ですが、その詳細はあまり知られていません。稿では、その詳細について解説したいと思います。 経緯 ゲーデルは1906年に現在のチェコ共和国のブルノに生まれました。ドイツ系でドイツ語を話し、チェコ在住時もチェコ語を話したという記録はほとんど残っていないそうです。そして1924年にウイーン大学入学を機にオーストリアに移住します。ハプスブルグ帝国は崩壊はしましたが、衰えたりとはいえウイーンはまだまだ中欧の学術と文化の中心であり、ゲーデルは充実した研究生活およびナイトライフを送ったようです(奥さんはナイトクラブのダンサーだったという説があります)。 しかし、ドイツに続きオーストリアでもナチスが台頭すると、にわかに暗雲垂れ込

    ゲーデルによるアメリカ合衆国を遵法的に独裁化する方法
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