昭和47年 講談社 (きむ たるす) 小説家。1919年朝鮮慶尚南道生まれ。1930年日本に移住。著書に「後裔の街」、「玄海灘」、「朴達の裁判」「太白山脈」など。このシリーズでは朝鮮と日本の民族的関係を追究した。 この本を見て驚いたことが2つあった。一つは酒の席での話ではあるが石位寺の石仏を買い取るという話。酒の席とはいえ、あってはならない話。あと一つは井上靖、石位寺来訪時の話をずっと聞きたかったが・・なんとここで紹介されてました。それでは本文の一部を紹介します。 「・・・それからこんどは、石位寺であった。入江泰吉・嵯峨崎四郎「大和路の石仏』にこうある。 ごみごみした長屋から美人が出でくると″ゴミ溜めから鶴”という表現を、よく使う。 無住寺かと思うような石位寺に、日本石仏のトップ、白鳳期の三尊石仏を見出したとき、 そんな諺が浮かんでくる。純白というより青味を帯びた滑めらかな石、昔の人は大