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ブックマーク / philosophy.hix05.com (2)

  • ハイデガーのブラック・ノート

    ハイデガーの手記のうち、1931年から41年にいたる10年間分が、ドイツで公刊されつつあるそうだ。これらは、黒表紙のノートブックに記されていることから、ブラック・ノートと呼ばれているそうだが、ブラックなのは体裁だけではない、内容もまたブラックだ、と断定するものが多いという。というのも、この期間のハイデガーは、ナチスの党員として、ドイツのナショナリズムを称揚する一方、師匠であるフッサール(ユダヤ人)に対して不当な態度をとるなど、反ユダヤ的な言動をしていたことが知られているが、そうした言動がこの手記からも裏付けられるというのである。 ハイデガーのナショナリズムは、近代への嫌悪に根差している。その嫌悪感をハイデガーはニーチェの反近代主義的な思想によって鼓舞されたわけであるが、それはさておいて、かれの反ユダヤ主義については、どんな因縁があるのだろうか。少なくとも、それについては、ニーチェは無縁であ

  • 近代日本の右翼思想

    政治が急に右傾化したというので、右翼思想というものに関心が集まっているそうだ。右翼思想というと、北一輝や井上日召などがまず浮かび上がってくるが、その彼らがいったいどのような主張をし、それを今日の右翼勢力がどのように受け継いでいるのか、誰しも興味ある処だろう。そんな興味に応えようとしたがある。片山杜秀著「近代日の右翼思想」だ。 このがカバーしているのは、主に昭和初期だ。つまり戦争の時代である。その時代の日に、さまざまな右翼思想が百花繚乱といった具合に花開いた。そうした思想の互いに共通するところと相違するところをあぶりだすことによって、この時代の日の右翼思想の特質を解明しよう、というのがこのの目的である。 近代日の右翼思想の最大の特徴は反知性主義だ、と著者は考えているようだ。北一輝のように精々彼なりの知性を発揮して世の中の改造を追求した思想家がいないでもなかったが、それは少

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